『あめあめふれふれもっとふれ』によせて
しゃがみこんで虫をみつめ、空気のにおいをかぎ、風におどろき、草の葉をちぎってみる。子どもは、五感をひらいて世界とむきあいます。雨の日に、世界と子どもがほほえみをかわした瞬間を、かろやかにとらえた物語です。
著者紹介
<訳> なかがわちひろ
1958年生まれ。現在翻訳や挿絵、絵本の創作など、子どもの本の世界で幅広く活躍している。創作絵本に「のはらひめ」「きょうりゅうのたまご」(以上徳間書店)「オバケのことならまかせなさい!」(理論社)「ことりだいすき」(偕成社)、翻訳の仕事に「ディアノーバディ」(新潮文庫)「花火師リーラと火の魔王」(ポプラ社)挿絵の仕事に「これは王国のかぎ」(理論社)など多数。「天使のかいかた」(理論社)で日本絵本賞読者賞を受賞。
<文> シャーリー・モーガン
1933年、イギリス生まれ。15歳のとき、家族でアメリカに移住。結婚後、コピーライターを経て、幼稚園や保育園の教師をしながら、創作活動をはじめる。本書は日本で初めて出版された作品である。
<絵> エドワード・アーディゾーニ
1900年、ベトナム生まれ。イタリア系フランス人の父とイギリス人の母を持つ。五歳のとき、イギリスに移住。27歳で画家として独立。第二次世界大戦中は、公式の従軍画家に任命される。絵本作家、挿絵画家として高い評価を受け、生涯180冊以上の本を残した。なかでも5歳の息子のために描いた「チムとゆうかんなせんちょうさん」(福音館書店)は好評を博し、シリーズ全11巻を残した。その他創作絵本に「ダイアナとおおきなサイ」(こぐま社)などがある。「チムひとりぼっち」(福音館書店)で、ケイト・グリーナウェイ賞受賞。1979年没。